Googleは、最先端のAI音楽生成モデルLyria 3をGeminiアプリに統合し、2月19日から世界中のユーザーに順次提供を開始しました。この技術はGoogle DeepMindによって開発されたもので、Lyriaシリーズの最新バージョンです。従来は純粋な音楽のみを生成できるツールでしたが、今回は完全な楽曲を作成できるシステムへと進化しています。
Lyria 3は自動作曲だけでなく、オリジナルの歌詞やよりリアルな歌声の演奏効果も同時に生成可能です。ユーザーはジャンルや感情、リズム、歌唱スタイルを自由に設定でき、楽器の配置も調整できるため、頭の中のイメージにより近い作品を作り出せます。これにより、インスピレーションから完成品まで、複雑な音楽制作の工程を経る必要がなくなります。
30秒の高品質な楽曲を、ひとつのプロンプトから作成
Geminiを通じて、ユーザーは「Create music」機能にアクセスし、作りたい楽曲の説明を入力するだけで、システムが30秒間の高忠実度の音楽作品を生成します。熱血ロック、ゆったりしたLo-fi、ユーモアを交えたCM風など、シンプルなプロンプトだけで多彩なジャンルの楽曲を作成可能です。
Googleが示した例には、90年代のスケートパンク風のエネルギッシュな楽曲、ルームメイトの皿洗いを愚痴る歌詞と高速ドラム、男性ボーカルの歌唱、夕陽の写真をもとにしたLo-fi音楽、映像内容に合わせた映画風のサウンドトラックなどがあります。これらの例は、Lyria 3の文脈理解と雰囲気把握能力を示しており、直感的で楽しい音楽制作を実現しています。
自動生成されたカバーと内蔵ウォーターマークで責任ある創作を促進
音楽そのものだけでなく、Geminiは各楽曲に専用のカバー画像も付与します。カバーはGoogleの画像生成モデルNano Bananaによって作成され、作品の共有時により完成度の高い仕上がりとなります。ユーザーは音楽とカバーを直接ダウンロードでき、SNS投稿や短編動画、個人プロジェクトに利用可能です。
AIコンテンツの普及が進む中、Googleは責任ある運用の重要性も強調しています。Lyria 3で生成された各楽曲には、見えないデジタルウォーターマークであるSynthIDが埋め込まれており、AI生成コンテンツかどうかを識別できます。ユーザーは音声ファイルをアップロードして検査も可能で、マークの有無を確認できる仕組みを整え、AI音楽の信頼性向上に積極的に取り組んでいます。
グローバル展開とサブスクリプションによる高容量利用
現在、Lyria 3はデスクトップ版のGeminiで利用可能となっており、順次モバイルデバイスにも拡大予定です。世界中の18歳以上のユーザーに向けて提供され、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ヒンディー語、日本語、韓国語、ポルトガル語の8言語に対応しています。
利用制限として、無料ユーザーは1日あたり約10曲の生成が可能です。一方、Gemini AI Plus、Pro、Ultraのサブスクリプション加入者はより高い上限を利用できます。この仕組みにより、気軽に体験できる一方で、ヘビーユーザーにはより多くの創作の自由を提供しています。
コミュニティの盛り上がりとYouTube拡張、AI音楽の普及
Lyria 3のリリース後、X(旧Twitter)上で早速話題となり、多くのユーザーが自作のミームソングやK-pop風の実験曲、日常のテーマソングをシェアしています。即時生成と低ハードルな創作が可能な点が、多くのコンテンツクリエイターやアマチュア音楽愛好者の関心を引いています。
また、GoogleはYouTubeのDream Track機能も全世界で展開を開始し、クリエイターがLyriaの技術を用いてAI音楽のクリップを生成できるようになり、映像コンテンツの可能性をさらに広げています。
Geminiは多機能なAI創作プラットフォームへ
Lyria 3の導入により、Geminiは単なるテキストや画像のツールから、文字、画像、映像、音楽を網羅するマルチメディア創作プラットフォームへと進化しています。AIとプロの制作ソフトの境界も曖昧になり、創作のハードルは大きく下がっています。
数行のメロディーから即座に楽曲を生成できる時代、誰もが自分だけのオリジナルテーマソングを持つことが可能になるでしょう。Googleはユーザーの継続的な実験と共有を促し、AI駆動の個人音楽時代の到来を後押ししています。
この記事は、「GoogleがLyria 3を発表:GeminiでワンクリックでAI歌を生成、歌詞から歌唱まで完全サポート」というタイトルで最初に公開されました。