開発者のAffaan Mustafaは、Anthropic主催のハッカソンで優勝した後、実際に10ヶ月かけて構築した製品のすべてのClaudeコード設定を整理し、オープンソースのパッケージ「everything-claude-code」として公開しました。これには13のエージェント、40以上のスキルモジュール、31のコマンド、AgentShieldセキュリティ監査ツールなどが含まれ、皆さまに共有します。
(前提:Clawdbotは神格化され、Mac miniの売り切れを引き起こした24時間AI家庭教師)
(補足:注意!Clawdbotの設定不備は重大なセキュリティ脆弱性を潜めている可能性:暗号通貨ウォレットがハッキングされたユーザーもいる)
この記事の目次
トグル
Anthropicの最新ハッカソンは先日終了し、各大会後のコミュニティの議論は、受賞作品の技術的ハイライトや、今回の新しいテーマに集中しがちです。しかし、この記事ではより長期的な価値を持つものを共有したいと思います。それは、優勝者のAffaan Mustafaが、10ヶ月間実際に構築した製品のすべてのClaudeコード設定を整理し、直接インストール可能なオープンソースパッケージ「everything-claude-code」としてGitHubに無償公開したことです。
執筆時点で、このリポジトリはすでに4万9千以上のスターと6,200のフォークを獲得しています。この数字は、単にツールへの関心を示すだけでなく、AI支援開発分野における長年の実際的な課題を反映しています。実際の作業環境でClaudeコード設定を整えることは、想像以上に難しいものであり、以下ではその特徴を簡潔に解説します。
このパッケージは五つのコア層に沿って構成されており、論理的に役割が明確に分担されています。
エージェント(Agents):13の専門化サブエージェント。計画者、アーキテクト、TDD指導者、コードレビュー、安全審査、ビルドエラー解決者、エンドツーエンドテスト実行者、リファクタリング・クリーナー、ドキュメント更新者、Go・Python・データベース向けの言語専門審査員など、多彩な役割を担います。
各エージェントはタスクの委任先ノードとして設計されており、メインのエージェントがすべてを一手に引き受けるのではなく、これにより「広く浅く」ではなく「深く正確に」対応できる仕組みになっています。これは、大規模言語モデルの「広範囲だが浅い」性能の限界とも関係しています。
スキルモジュール(Skills):40以上のワークフローディフィニションを言語や用途別に分類。TypeScript、Python、Go、Java、C++、Django、Spring Bootなどのパターンガイドラインを備え、テスト・セキュリティ・デプロイ・API設計・データベース移行・Docker操作などの規範も明示しています。
特に注目すべきは、「コスト感知LLMパイプライン」や「コンテンツハッシュキャッシュモード」などの高度なスキルモジュールも含まれ、単なる開発支援を超え、AIプロダクトエンジニアリングの領域にまで踏み込んでいる点です。
コマンド(Commands):31のスラッシュコマンド。/plan、/tdd、/code-review、/build-fix、/e2eなどの基本コマンドに加え、新たに/multi-plan、/multi-executeなど複数エージェント協調コマンドや、/instinct-status、/evolveといった学習関連コマンドも追加されています。
フック(Hooks):トリガーベースの自動化機構。会話間の記憶の永続化、コンテキスト圧縮戦略、パターン抽出などを担い、長期的にAIのコンテキスト連続性を維持します。これらは初心者が見落としがちな重要ポイントです。
ルール(Rules):常に守るべきコーディング規範。一般ルール、TypeScript規則、Python規則、Go規則の四層に分かれ、コードスタイル、Gitワークフロー、テスト基準、安全性要件をカバーします。Windows、macOS、Linuxに対応し、npm、pnpm、yarn、bunなどのパッケージマネージャも自動検出します。
多くのモジュールの中でも、特に注目すべきは三つの設計です。これらは単なる機能選択ではなく、AI支援開発の方向性を示す明確な判断を反映しています。
**AgentShield(セキュリティ監査ツール)**は、Claudeコード設定の静的解析を行います。102の脆弱性スキャンルール、912のテストケース、98%のテストカバレッジを持ち、設定ファイル自体が攻撃対象となることを示しています。
この設計の背景には、AIエージェントにコード実行、ファイルアクセス、外部API呼び出しの能力を与えると、設定ファイルが攻撃の入り口となるリスクがあるという現実的な考慮があります。AgentShieldの存在は、そのリスクに対処するための専用ツールの必要性を示しており、実運用環境でAIコード補助を使うチームにとって重要な警鐘となります。
**継続学習v2(Continuous Learning v2)**は、「直感」の概念を用いて、過去のインタラクションから抽出した行動パターンと信頼度スコアを管理します。これにより、Claudeは特定のコードベースに対して「記憶」を蓄積し、毎回の対話でゼロから構築する必要がなくなります。従来の知識蓄積を自動化し、システムの出力を向上させる仕組みです。
**スキル自動生成器(Skill Creator)**は、Gitコミット履歴を解析し、特定のコードリポジトリに最適化されたスキルモジュールを自動生成します。これにより、「Claude Codeが何をできるか」を理解した上で、「自分のコードに合わせて最適化」する作業が短縮され、専門領域の開発者は自身の開発履歴から最適な設定を抽出できるようになります。
Mustafaは、この設定群を公開することは、コミュニティのインフラ整備に貢献する行為だと考えています。従来、ESLintルール集やDocker Composeテンプレートのように、反復的な試行錯誤のコストを公共財に変える努力は、開発エコシステムの重要な一部です。
しかし、AI支援開発の設定は、従来のツールよりも複雑さが数段上です。Claude Codeの挙動は単なる「機能スイッチ」ではなく、エージェントアーキテクチャ、プロンプト設計、ワークフロー、会話間記憶管理など、多次元の交差判断を必要とします。
ただし、これらの設定は特定の開発者の最適化結果であり、すべてのシナリオに適用できるわけではありません。それでも、その価値は十分にあり、あくまで出発点として捉えるべきです。
Claude Code初心者にとっては、根拠のあるプリセット設定は白紙状態より遥かに有用です。経験者にとっては、比較・修正の基準となる参照系となります。
Mustafaは、10ヶ月の意思決定の歴史を整理し、インストール可能なパッケージとして公開しました。それは完璧な答えではなく、隠された知識体系を明示し、引用・修正可能な形で公開したことに意義があります。