Polymarket vs Kalshi 予測市場の王者は誰?

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TRUMP-1.68%
MEME-1.52%
DOME-17.41%

作者:長安、Biteyeコンテンツチーム

数日前、X上で多くのKOLが突然気づいた。自身のアカウントにKalshiとの提携を象徴するバッジが消えていることに。

Prediction Newsがこの件を報じ、その後、思わず笑ってしまうスクリーンショットが流出:Polymarketの公式アカウントがこっそりこの報道にいいねを押していた。

PolymarketとKalshiの商戦は長きにわたり、予測市場は本格的な二大独占時代に突入している。

一方は暗号ネイティブのPolymarket、もう一方は規制された金融システム内のKalshi。

この競争の本質は、どちらの会社がより強いかではなく、未来の情報価格決定権がCryptoに属するのか、ウォール街に属するのかという点にある。

だからこそ、この分析は価値がある。👇

一、商戦の年表:規制ゲームからオフライン対決へ

過去一年、両者の競争は製品からチャネル・規制・世論を巻き込んだ立体戦へと進化した。

1、評価額競争:41日間の資本反撃戦

2025年10月7日、PolymarketはICEから20億ドルの戦略的投資を獲得し、企業評価額は90億ドルに達した。

三日後、Kalshiは30億ドルのDラウンド資金調達を完了し、評価額は50億ドルに。タイミングが非常に正確で、偶然とは信じ難い。

しかし、Polymarketはまだ止まるつもりはない。10月23日、ブルームバーグ報道によると、Polymarketは投資家と接触し、新たなラウンドの資金調達を準備中で、目標評価額は150億ドルに引き上げるという。

11月20日、Kalshiの反応が到来:10億ドルの資金調達を完了し、評価額は110億ドルに急上昇。これはParadigmがリードしたもの。Polymarketの以前の評価額90億ドルを一気に超え、150億ドルの調達目標にも迫った。しかも、前回のDラウンドからわずか41日しか経っていない。

2、文化の壁突破:トラフィック争奪戦

2025年9月24日、『サウスパーク』第27シーズン第5話『Conflict of Interest』の予告が公開され、予測市場に関する内容が登場。

この情報が出るや否や、両プラットフォームは同時にチャンスを認識。予測市場が初めてメインストリーム文化の視野に入った瞬間だった。誰がこの関心を取引量に変えられるかが勝負の分かれ目となる。

KalshiとPolymarketはすぐに、ストーリーと密接に関連した市場を立ち上げ、ユーザーが即座にストーリーの展開に賭けられるようにした。

放送当日、Kalshiのチームは一斉にSouth Parkのキャラクター風アイコンに変え、X上で話題を席巻。ブランドをその日のホットトピックにしっかりと刻み込んだ。両者は、ホットトピックを取引に結びつけるマーケティングチャンスを逃さなかった。

3、エコシステム付属アカウントとバッジ争奪戦

プラットフォームのユーザ規模が急拡大する中、PolymarketとKalshiは昨年後半にほぼ同時にアフィリエイトアカウント計画を開始。X上でKOLやトレーダー、エコシステムプロジェクトにバッジを付与し始めた。

Polymarketの動きはより迅速だった:Traderバッジはアクティブトレーダーの認証に使われ、戦略やポジションを共有してプラットフォームへの誘導を促す。Builderバッジはエコシステムの開発者向けで、アプリ構築を促進し、公式の後押しで露出を増やす。

同時に、Polymarketは100万ドルのBuilderインセンティブプランも展開し、開発者をエコシステムに引き込んだ。

Kalshiも追随し、スポーツ・文化・トレーダー認証など多岐にわたるバッジ体系を導入。これを自社の強みであるスポーツや大衆市場に展開。

現在、Twitterの予測市場のトレーダーはPolymarketのバッジかKalshiのバッジを付けている。

4、実体マーケティング対決:マンハッタン無料商品戦争

2026年2月2日、KalshiはX上で、翌日正午から午後3時までWestside Marketで無料フードを提供すると発表。1人あたり最大50ドルのクーポン付き。これを受け、現場には長蛇の列ができ、学生や低所得層が殺到。盛況だった。

翌3日、Polymarketも即座に反応し、ニューヨークで初の無料フードポップアップを5日間開催と発表。ルールは簡単:バッグに詰めて持ち帰り可能。さらに、Food Bank for New York Cityに100万ドル寄付も発表し、市内の食料安全保障に貢献。

この二つのイベントはほぼ同時に行われ、火薬庫のような緊張感。

5、規制と政治資源の軍拡競争

両者はワシントンのロビイング活動を絶えず続け、Donald Trump Jr.を起用。共和党系の規制資源を動かすとともに、世論戦の政治的駆け引きも仕掛けている。

しかし、実際の戦場は二つの次元に分かれる:CFTCの規則の隙間と各州裁判所の禁止措置。

Polymarketはオフショア構造を利用し、直接規制を回避しつつ、QCEX買収を通じて米国市場に静かに進出。一方、Kalshiは正面から戦い、CFTCの予測市場免許を持つが、そのために少なくとも4州で訴訟を提起されている。違法なローカルユーザの賭けを指摘されている。

この地味な商戦は、もはや製品の競争ではなく、政治資本と流量の支配を巡る全面戦争となっている。

二、ハードコア比較:五つの視点で二大巨頭を解剖

2.1 取引データ比較:政治サイクルとスポーツスケジュールのズレによる成長

2026年2月時点、予測市場全体のNotional Volumeは1275億ドル、実取引量は699億ドル、独立ユーザー数は249万、未決済契約は10億ドル超。

PolymarketとKalshiは約79%の市場シェアを占める。PolymarketはNotional Volumeで56.07億ドル、Kalshiは44.71億ドル。Open InterestではKalshiが4億7401万ドル、Polymarketが4億967万ドルとややリード。両者合計で市場の85%以上を占める。

トレンドを見ると、両者ともイベント駆動の成長に依存。2024年10月の大統領選前後に一時的にOpen Interestが50億ドルに達した後、KalshiはNFLシーズン開始とともに急増し、2025年末には過去最高に。

両者とも取引量は増加中だが、その推進要因は異なる。政治サイクルとスポーツスケジュールの違いだ。

(出典:Dune、2026年2月26日11時時点)

2.2 収益比較:検証済みの動的手数料vs始まったばかりのTaker Fee

両者の料金体系は根本的に異なる。

Kalshi

確率加重の動的手数料を採用。契約価格に応じて取引手数料を徴収し、50(50/50確率)でピーク、0や99に向かって減少。例として100ドルの取引では、最大約1.74ドルの手数料、実効レートは約1.2%。

2024年の収益は2400万ドル、2025年は2.6億ドルと、994%の増加。だが、収益はスポーツシーズンに偏る。NFLシーズン(9-11月)は1.38億ドル、12月は635万ドルと過去最高を記録。閑散期は大きく落ち込み、季節性が顕著。

Polymarket

逆に、Polymarketは全く逆の道を歩む。2025年末まで赤字運営を続け、完全無料でユーザー獲得。2023年2月にスポーツ市場でTaker Feeの動的手数料を導入し、最初の週だけで手数料収入は100万ドル超に。DefiLlamaのデータによると、直近30日間の収入は318万ドル。2024年1月以降、収益が本格的に伸び始めている。

また、日次決済の市場は今後の収益源になり得る。高頻度・短周期の市場は取引回数を増やし、Memeと似た性質を持つ。こうした市場のユーザーは手数料に対して鈍感。

比較すると、Kalshiの料金モデルは実証済みだが、スポーツシーズンに依存。一方、Polymarketは料金体系を始めたばかりで、年次収益はKalshiのほんの一部だが、ゼロ手数料で流動性を獲得した段階は終わり、今後は本格的に商売を始める段階に入った。

2.3 ユーザープロファイル:ライセンス持ちエリート vs グローバル個人投資家

両者のユーザ構造は、規制環境に大きく左右されている。

KalshiはCFTCのライセンスを持ち、米国ユーザーに合法的にサービス提供。主に米国内市場に集中。

Polymarketは2025年末にQCEX買収を経て米国市場に復帰。それ以前は海外中心だった。この「亡命期間」が逆に、より広範な国際ユーザ基盤を築く助けとなった。

収益構造からも、両者のユーザの違いが見て取れる。

Kalshiの収益の89%はスポーツ市場から。ユーザー行動は伝統的なスポーツベッティングに近く、頻繁に取引し、1回あたりの金額も小さめ。NFLシーズン中は急増し、シーズン終了とともに取引量は落ちる。季節性が明確。

Polymarketは構造が全く異なる。政治とマクロ経済市場が中心で、多くの機関投資家がマクロリスクのヘッジに利用。1回の賭け金も高額。2024年米大統領選では、フランス人トレーダーが5,000万ドル以上を賭け、8,500万ドルの利益を得た例も。こうした規模は、スポーツベッティングではほぼ見られない。

2.4 チャネルの優位性:ディストリビューション代理店 vs 開発者エコシステム

2025年末、RobinhoodとCoinbaseはともにKalshiと提携し、予測市場機能を自社プラットフォームに導入。証券会社だけでなく、PrizePicksやUnderdogといったスポーツプラットフォームも、既存のスポーツベッティングユーザをKalshiに誘導。

12月には、KalshiはCoinbase、Robinhood、Crypto.comとともに予測市場連盟を設立。

この戦略は非常にシンプル。KalshiはCFTCの指定合意市場免許を持ち、規制コストも低く、伝統的な先物取引所のように接続できる。

一方、Polymarketはチャネル拡大を狙わず、むしろ基盤となるインフラを構築し、他者がそこにアプリを開発できるようにしている。

最も明確な例は、五日前の買収:PolymarketはDomeを買収。これはYC2025秋バッチのプロジェクトで、予測市場のAPIを提供。開発者は一度コードを書けば、PolymarketやKalshiなど複数プラットフォームのデータと流動性にアクセスできる。

今、Vibe Codingが盛り上がり、開発者はDomeのAPIを呼び出して、トレーディングボットやデータダッシュボード、埋め込み型市場コンポーネントを作成可能。AIエージェントもこのAPIを使って自動予測取引を行える。

この二つの路線を比較すると、非常に明快だ。Kalshiはチャネルを拡大し、パートナー経由でユーザと取引量を増やす。一方、Polymarketは底層を整備し、開発者がアプリを自律的に育てるエコシステムを目指す。前者は商業ネットワーク拡大、後者はエコシステムの自発的形成に賭けている。もし底層にネットワーク効果が生まれれば、後発が追随するのは非常に難しくなる。

2.5 マーケティング戦略:ブランド露出 vs コミュニティの裂け目

両者のマーケティングは、それぞれのユーザ層に非常に適合している。

Kalshiは伝統的なブランド露出を重視。非常にストレートなアプローチだ。ニューヨーク市長選の際には、タイムズスクエアやペンシルバニア駅、地下鉄にリアルタイムのオッズ広告を展開し、街頭の大型スクリーンに予測確率を表示。NBAファイナルでは、AIツールを使い、2000ドルコストのテレビCMを2日間で制作・放送し、ゴールデンタイムに300万回以上の再生を獲得。

さらにCNNやCNBCと提携し、ニュースライブの映像にKalshiのデータを登場させる。一般視聴者にとっては、これが公式の後押しとなり、信頼感が高まる。

一方、Polymarketは全く異なるアプローチ。コミュニティ内での自発的拡散を狙う。

彼らはプロモーションを細かく設計。ユーザは専用リンクを拡散し、誰かがクリックすれば0.01ドルの報酬。紹介者が20ドル以上の入金を得た場合は、さらに10ドルのCPA報酬が発生。

一定規模のクリックや取引があれば、追加の報酬も配布。こうした仕組みは、Meme系取引プラットフォームのリファーリンクと似ている。

また、Polymarketはコンテンツエコシステムの育成にも注力。@BrosOnPMのようなアカウントを支援し、予測市場のビルダーやトレーダー向けにコンテンツを日々発信。開発者の流入を促し、内部での循環的な拡散を狙う。

三、結局、誰が最終的な勝者か?

前節のデータは、現状の両者の姿を示すものだが、現状の構図が未来を保証するわけではない。予測市場はまだ黎明期で、多くの変数が存在する。規制の未確定、競合の台頭、ビジネスモデルの検証不足など。

確定的な結論を出すよりも、勝敗を左右する重要なポイントを整理したい。

両者ともに相手の領域に進出中

両者の動きから、双方とも自らの弱点を認識し、補強を始めている。

Polymarketは米国市場に再参入した際、最初に展開したのはスポーツ系の契約だった。その後、MLS、NHL、ニューヨーク・レンジャースと公式提携し、スポーツリーグのブランドを背負う形に。政治からスポーツへとシフトしつつある。

私見では、二つの理由が考えられる。

  • 政治系市場は米国の規制の目が厳しくない可能性があり、スポーツ系の方が受け入れられやすい。
  • Kalshiの米国市場でのシェア獲得を狙う。

Kalshiも動きは活発。CNNやCNBCと提携し、ニュースのライブ映像に自社のオッズデータを登場させている。もともとスポーツ由来のプラットフォームだが、今や政治の舞台にも進出し、メディア的な信頼性を築こうとしている。

ただし、リスクの規模は異なる。Polymarketは政治とスポーツの両方に実取引量があるのに対し、Kalshiはほぼスポーツに集中。こうした構造的な差異は、後述の規制リスクの議論において重要なポイントとなる。

最大のチャネルパートナーは、最も危険な競合?

RobinhoodはKalshiの最重要リテールチャネルの一つで、2025年の取引量の半数以上を占める。Coinbaseも全米50州で予測市場を展開し、Kalshiを通じて清算。

しかし、両者はほぼ同時に次の動きを取った。

  • RobinhoodはSusquehannaと合弁でMIAXdxを買収
  • CoinbaseはThe Clearing Companyを買収

両者とも、CFTC認可の取引所インフラを自前で構築中。2026年の運用開始を目指す。完成後は、Kalshiと提携し続けるか、自社で利益を取りに行くかを選択できる。すでにユーザーデータや取引習慣、流動性も蓄積済み。

Kalshiにとっては、チャネルパートナーがいつ離れるか分からないリスクだけでなく、すでに具体的な脅威のタイムテーブルも存在する。Kalshiのチャネルの優位性は、あくまで期限付きの先行優位に過ぎない。

Polymarketの料金:ビジネスモデル検証の重要ステップ

Polymarketは2025年の年間取引量が338億ドル超ながら、収益はほぼゼロ。だが、9億ドルの評価額には収益が必要だ。2026年こそ、その実現の時だ。

最初は暗号通貨市場で試験的に料金を導入し、その後2026年2月18日にスポーツイベントに拡大。選択の理由は明快。これらは日次決済型の市場であり、取引頻度が高く、単価も小さく、ユーザの回転も速い。長期の政治・マクロ経済契約よりも手数料に対する感度が低いため、最も影響の少ない段階で導入。

ただし、リスクも明白。予測市場の流動性はユーザ提供に依存し、市場メーカーのサポートもない。専門トレーダーが手数料を理由にアービトラージの機会を失うと、撤退は一瞬で起こり得る。

過去、多くの取引所が料金のタイミングや幅を誤り、流動性が急激に悪化し、流動性低下→ユーザ離脱→死の螺旋に陥った例もある。

Polymarketは現在、makerリベートを用いてこのリスクをヘッジ。takerから徴収した手数料の一部を掛け金側に還元し、注文簿の深さを維持しようとしている。

収益の安定化を図ることが、Polymarketの評価の前提となる。料金実験は始まったばかりで、その答えは2026年末に明らかになる。

結論:王者なき戦争、時代の勝者だけが生き残る

予測市場業界はまだ若く、勝者と敗者を断定するには早すぎる。しかし、両者の輪郭は次第に明確になりつつある。

Kalshiの長所は明白:規制の先行優位、成熟したリテールチャネル、既存の収益モデル。だが、スポーツ収益の比重が高く、州レベルの規制リスクも未解決。RobinhoodやCoinbaseの自社取引所構築も時間との戦いだ。

Polymarketの優位性もまた鮮明:世界最大の流動性、政治・マクロ経済のほぼ独占、エコシステムの規模拡大中。ただし、ビジネスモデルはまだ検証段階。料金体系が本当に機能するかは、2026年末まで分からない。

この競争の面白さは、現状の両者の位置づけが完全に重なっていない点にある。Kalshiはリテール拡大を進め、Polymarketは情報密度と市場深度に注力。真の直接対決は、Polymarketの米国スポーツ市場成熟後と、Kalshiの政治市場での実力向上後に訪れるだろう。

それまでの間、業界の空間は十分に広く、両者の並行路線が共存できる余地がある。

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